※この記事では、筆者が自分で作って販売している単語帳を紹介しています。

「前世で親を殺したかと思うくらい、覚えられない英単語がある」
教室で、ある生徒が言ったことばです。
笑いながらでしたが、笑えない話でもあります。
何度書いても、次の日には消えている。
単語テストの前の晩に、泣きながらノートを埋めている。
そういうお子さんを見て、「うちの子は英語に向いていないのでは」と心配になっている方に、まず伝えたいことがあります。
覚えられないのは、その子のせいではなく、やり方が合っていないだけのことが多いです。
英単語が覚えられなくて泣くとき、起きていること
個別指導の教室で、同じ場面に何度も出会ってきました。
書く。次の日に消えている。
「もっと書きなさい」と言われる。
もっと書く。やっぱり消えている。
これをくり返すうちに、単語が覚えられないだけだったはずが、英語そのものが嫌になっていきます。
丸暗記が苦手なだけで、英語ができないわけではないのに。
以前、英語を「キライ」と言い切る受験生がいました。一緒に問題を解いてみると、6割くらいは最初からできていたのです。それでも本人は、正解していることを認められませんでした。
(そのときの話:できているのに、キライ)
「覚えられない」より先に、「もう嫌だ」が壁になっている。
泣いている子に起きているのは、たいていこちらです。
「覚えなさい」が効かないのは、なぜか
実は私自身、丸暗記が昔から苦手です。
強制的に、圧力をかけて覚え込ませようとしても、脳が合意してくれません。
いまでも覚えている英単語は、何かにくっついて残ったものばかりです。たとえば beyond と infinity は、映画のせりふで入りました。
(こじ付け記憶 ~”beyond” と”infinity” 編~)
教室で見てきて、「覚えなさい」が効かない子には、3つのことが重なっています。
- 音を知らないまま、つづりだけを書いている。 読めない文字の並びを、形として写している状態です
- 文の中で出会っていない。 単語と日本語を1対1で並べただけでは、意味が引っかかる場所がありません
- 覚えようとすること自体が、重荷になっている。 「また覚えられなかった」が積み重なると、開くのも嫌になります
もう1つ、カタカナで発音を書くことも気になっています。
書いた瞬間に、その音は英語ではなくなります。かといって、辞書を引きながら一人で勉強するのは、中学生にはハードルが高すぎます。
かわりにやること:覚えようとしないで、何度も出会う
では、どうするか。
家でできることを、4つ書きます。道具は何でもかまいません。
1. 先に、音を何度も聞く
書く前に、聞く。
教科書のQRコードでも、辞書アプリの読み上げでも、音が出るものを使います。意味を確かめるのは、音になじんでからで大丈夫です。
2. 短い文の中で出会う
単語だけを見せずに、6〜10語くらいの短い文で見せます。
make なら、「お父さんは日曜日に朝ごはんを作る」のような、場面が浮かぶ文です。
3. その子の好きな世界にくっつける
これがいちばん効きました。
鉄道が大好きな男子の話です。
彼は英単語の記憶が課題で、やる前は「絶対覚えられない!」とこぼしていました。
そこで、1つの単語ごとにノートを作りました。意味、すっと分かる例文、連想しやすい関連語、絵。その中から、自分で覚えやすいと思ったものだけを残します。講師が出した案でも、ぴんとこなければ不採用です。
約30語。準備に3時間ほどかけて、数回見直しました。
確かめ方は、英語を聞いて、日本語で答える形。10問と、追加の1問。全部、正解でした。
うまくいった理由は、彼が路線図も車両の種類も、その日の運行状況まできれいに思い出せる人だったことです。その力を、英単語にも使えると本人が気づきました。
自分で思いついた手がかりのほうが、すでに自分のものになっているので、入りやすく、取り出しやすいのです。
(くわしくは:鉄道好き男子が成功した英単語暗記法とは?)
サッカーでも、ゲームでも、アニメでもかまいません。
自分の知っている世界の中でなら、知らない単語にも手が届きます。
4. 当たり外れを数えない。覚えていなくても、すぐ引けるようにしておく
間違えた数を数えはじめると、また「覚えられなかった」が積み上がります。
間違えること、できないことは、悪ではありません。まずは、きゅーっと緊張しているのを緩めるところからです。
それと、覚えていなくても困らないようにしておくこと。
ある生徒とは、資料を手元に整えて、覚えられない分は、すぐに見られるようにしていました。最初は無気力な子かと思っていましたが、学ぶ機会がなかっただけの子でした。彼は推薦で合格しています。
何度も引いているうちに、引かなくてよくなる語が増えていきます。
順番は、それでいいのだと思います。
この考えで、単語帳を作りました
ここまで書いたことを、1つの道具にしたのが「覚え(ようとし)なくていい英単語帳」です。
スマホやタブレットで開く、中学英語の単語帳です。
上の4つと、こう対応しています。
- 音を何度も聞く → 単語も例文も、押せば何度でも読み上げます。カタカナは1文字も使っていません
- 短い文の中で出会う → すべての語に、短い例文と日本語訳がついています
- 好きな世界にくっつける → サッカー、ゲーム、音楽、料理など、選んだ世界に合わせた例文を、AIがその場で作ります(おためし版では5回まで)
- 当たり外れを数えない・すぐ引ける → 点数も○×も画面に出しません。英語でも日本語でも検索して引けて、動詞の変化などの表も入っています
毎日1問だけ、「きょうの1もん」が出ます。音が鳴って、聞こえた語の意味を選ぶだけ。10秒で終わります。

使った子の反応(正直に書きます)
まだ、「これで点数が上がった」と言える結果はありません。作ってから日が浅く、続けた生徒の記録がそろっていないからです。
いま見えているのは、2つです。
- 「きょうの1もん」に答えたあと、画面がクリスタルのようにキラキラ光ります。これを「かっこいい」と言った中学生の男子がいました
- わからない単語や文法が、全部このアプリの中に入っている。そのことを、どこか落ち着かなく感じているらしい子も、何人かいます
合う子と、そうでない子がいます。
なので、買う前に試せるようにしてあります。
10日間、おためしできます
中身は製品版と同じ、中学英語の全範囲です。はじめて開いた日から10日間、「きょうの1もん」を1日5問まで試せます。登録もインストールも要りません。
それでも、単語テストでは「書けないと」困る
学校の単語テストは、つづりを書かせます。「聞いて分かる」だけでは点になりません。そこは事実です。
私が見てきたかぎりでは、順番の問題です。
音と意味がつながっていない語のつづりを書こうとするから、形の丸写しになって、消えます。音と意味が先にあると、つづりは「あの音の、あの語」として引っかかりやすくなります。
テスト前にどうしても書く練習が要るなら、音と意味が分かっている語から、少ない回数で。
全部を同じ回数ずつ書くのは、いちばん報われにくいやり方です。
まとめ
- 英単語が覚えられなくて泣く子に起きているのは、「覚えられない」より先に「もう嫌だ」
- 「覚えなさい」のかわりに、音を聞く・短い文で出会う・好きな世界にくっつける・当たり外れを数えない
- 覚えていなくても、すぐ引ければいい。何度も引くうちに、残る語が増えていく
泣きながら書く夜を、まず1日、やめてみてください。
かわりに10秒、音を聞くだけの日があっていいと思います。
英検を考えているご家庭は、こちらもどうぞ。
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タグ: LearningCenter, StudyCenter, Webアプリ教材, 傾聴, 学習障がい, 発達障がい, 英単語覚えられない
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