“現実のことをありのままに”

2010-08-08 | からnakmas | ファイル: 人 life.
「現在のことをありのままに」“Things as They Really Are”という文章がある。

(講演記録。話し手は、「作用をする者となる」と同じ人。)

インターネットなんかの仮想世界だけに居心地のよさを感じて没頭し、
(妄想の世界も含まれるか?)
人の五感で感じられる世界をないがしろにしたり、
現実の世界で犯罪など常軌を逸するようなことをしでかしてしまうことへの警告の文章。

航空訓練などのシミュレーションや、建築物などの模型を、
科学技術の進歩によって、文字通りリアルに構築できるようになってきている。
それがどれくらい現実に近いか、リアルかを示す言葉に、
「忠実度」fidelity がある。
人が認識する状況や動き・質感などなどに対してどれくらい現実的か、わかりやすいか、ということ。

そういった技術が現実に近づこうとし、実際に近づき成果を得ているのに、
一方それらを産み出している人間の側はどうか。
どちらかというと、現実から逃げようとしたり、離れていったり、
現実と違う世界を求めようとしたりしているのが、大きな流れになっている。

もっと具体的には、自分の身の回りにいる人間同士の付き合いがどんどん下手になり、
目の前の人間関係を築いていく、何か問題が起きた時に解決できないという状況がとても進んでいる。
(身近であればそれだけ日常的な問題が起きやすいことは確かに現実なのに)
つまり、人間自身の現実に対する「忠実度」の著しい低下。

やっぱり現実の世界で、身近なところで、何をするか、何ができるか、
そしてそれをどれくらい広げていけるか、それが人間の価値、
生きている証になるんだろうと思う。

個人的には、インターネット技術にとても感謝していて、
住んでいるところが遠くても、連絡を取りたい時に取れて、
共有したいことをデータで示せる。

しかしながら、それはあくまで現実の世界があってのこと。
顔を合わせて一緒に時間や空間を共にしていて(少なくても過去にしたことがあって)、
そのつながりを維持したり、深めるために使っている。

「人命を救ったり生活の質を上げたりするための疑似体験のように、
忠実度が高く、目的が良いものであれば、このようなシミュレーションは建設的なものとなるでしょう」
Such a simulation can be constructive if the fidelity is high and the purposes are good—for example, providing experience that saves lives or improves the quality of life.(上記文章からの引用)

現実の世界をありのままに受け入れて、ここで一所懸命に生きよう!


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