公権力は夢を語るべきか?

2011-06-20 | からnakmas | ファイル: 本 book.

ローマ人の物語〈27〉すべての道はローマに通ず〈上〉


ローマ人の物語〈28〉すべての道はローマに通ず〈下〉

・・・数年前だったが、将来の首相候補と世評の高かった日本の政治家の一人と会っていたときだ。その人は私に、総理大臣になったら何をすべきと思うか、とたずねた。私は即座に答えた。
 「従来のものとは完全にちがう考え方に立った、抜本的で画期的な税制改革を措(お)いて他にありません」
 そうしたらその人は言った。税の話では夢がない、と。私は言い返した。
 「夢とかゆとりとかは各人各様のものであって、政策化には欠かせない客観的基準は存在しない。政治家や官僚が、リードするたぐいの問題ではないのです。政治家や官僚の仕事は、国民一人一人が各人各様の夢やゆとりをもてるような、基盤を整えることにあると思います」(『ローマ人の物語 #27 すべての道はローマに通ず[上] 25~26頁)

どんな政治を行うかは、とどのつまり「どんな国を作っていきたいか」、
そして「どんな人を育てたいか」に行きつくだろう。
盲目で愚かな、噂に左右されやすい人ばかりの国にしたければ、
政治家・統治者は、夢を語り、現実に基づかない話ばかりをしていればよい。
ただし、ある時に至って、人が自分の意思をもつ動物だと気づくことになるだろう。
何らかの情報や刺激によって、その体制に疑問を抱くようになり、
急進的な報復を受けるかもしれない。

数百年の間、適材適所、公の役に立つ人を産み続け、
多種多様で、地球上かなりの広範囲に渡る多民族国家を築き、運営してきたローマ人から学ぶことは多い。


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